2007 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiを用いた疾患対立遺伝子特異的発現抑制法の確立とその応用
Project/Area Number |
06J11231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 悠亮 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レポーターアリル / アリル特異的RNAi活性 / 一塩基置換 / プリオンタンパク質遺伝子(PRNP) / ミスマッチsiRNA / shRNA発現型ベクター |
Research Abstract |
これまでに2種類のレポーター遺伝子を対立遺伝子に見立てた、siRNAが示すアリル特異的RNAi活性を評価するシステムの確立を行ってきた。そして一塩基置換による変異型アリルに対して、アリル特異性を示すsiRNAは限られており、アリル特異的RNAi活性の誘導が困難であることがわかった。 そこで今年度は、一塩基置換による変異型アリルに対してsiRNAのアリル特異性を改善させ、アリル特異的RNAi活性を誘導させる改良法の検討を行った。本研究では、プリオンタンパク質遺伝子(PRNP)に1塩基の変異を持つ、遺伝性プリオン病と関連する変異型アリルをモデルアリルとして用いた。変異塩基周辺にsiRNAを設計したが、正常型・変異型を識別するsiRNAが少なく、アリル特異的にRNAiを誘導することが困難であった。そこでsiRNAに1つのミスマッチ塩基を導入し、変異型に1塩基、そして正常型には2塩基のミスマッチ塩基を持つ"ミスマッチ siRNA"を構築して、そのアリル特異的RNAi活性を評価した。その結果、ミスマッチ塩基を導入する部位によって、アリル特異的RNAi活性が強く促進されることが見出された。また、"ミスマッチ siRNA"を発現するように設計したshRNA型発現ベクターにおいても、同様にアリル特異的RNAi活性を誘導させることができた。よって本研究で見出された、"ミスマッチsiRNA"は、一塩基置換を持つ変異型アリルのアリル特異性を促進させる改良法として有用であると考えられる。 今後は、"ミスマッチ siRNA"による改良法が、異なる変異型アリルに対しても有用であるのか評価し、またsiRNAのミスマッチ塩基を導入する部位とアリル特異性の関連についても研究を進めていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)