2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNAiを用いた疾患対立遺伝子特異的発現抑制法の確立とその応用
Project/Area Number |
06J11231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大西 悠亮 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNAi / アリル特異的RNAi / siRNA / ミスマッチ型siRNA / レポーターアリル / 一塩基変異型アリル / seed領域 / PRNP |
Research Abstract |
これまでに2種類のレポーター遺伝子を対立遺伝子に見立てたレポーターアリルを構築し、siRNAのアリル特異性を簡便に評価できるシステムの確立を行ってきた。そして一塩基置換による変異型アリルに対して、アリル特異性を示すsiRNAは限られていることがわかった。 そこで、一塩基変異型アリルに対して、siRNAのアリル特異性を改善させる改良法を検討した。プリオンタンパク質遺伝子(PRNP)に一塩基変異を持つP102L変異型をモデルアリルとして用いたところ、設計したsiRNAが正常型・変異型の両アリルの発現を強く抑制したため、siRNAに1つのミスマッチ塩基を導入した"ミスマッチ型siRNA"に改良した。それらのアリル特異性をレポーターアリルによって評価ところ、ミスマッチ塩基を導入することでアリル特異性が大きく変化した。そして様々な領域にミスマッチ塩基を導入した結果、siRNAのseed領域(ガイド鎖の2-8番目の塩基)にミスマッチ塩基を導入することで、アリル特異的なRNAi活性が強く促進することが見出された。また他のPRNPの一塩基変異であるP105LやD178N変異型アリルについても、同様にseed領域にミスマッチ塩基を導入したミスマッチ型siRNAが、強いアリル特異性を示すことを見出した。さらに、PRNPの発現ベクターを作成し、先はどのミスマッチ型siRNAが、完全長のPRNP転写産物に対してもアリル特異的な発現抑制を誘導できることを、ウエスタンプロット法により確認した。 以上より本研究で構築したシステムの確立から、アリル特異性を促進させるsiRNAの改良法を見出し、一塩基置換を持つ様々な変異型アリルに対しても、アリル特異的な発現抑制を効果的に誘導できる可能性が示唆された。本研究で得られた成果は、国際紙(PLoS ONE)に発表した。
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Research Products
(4 results)