2007 Fiscal Year Annual Research Report
記憶想起信号を生成するニューロン回路モデルのサル大脳側頭葉における実験的検証
Project/Area Number |
06J11234
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 大吾 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 対連合記憶 / マカクサル / 側頭葉 / 電気生理 / マルチユニット |
Research Abstract |
本研究では記憶想起の生理学的機構を明らかにすることを目的として、霊長類(マカクサル)を用い、対連合記憶課題遂行中の動物からの電気生理記録実験を行なっている。本研究の特色は、従来の単一ニューロンのスパイク発火活動の解析を行なうのではなく、ユニット間のスパイク発火の相関やフィールド信号とスパイク発火との相関に解析の主眼を置くところにある。平成19年度は、上記目的を達するためにこれまでに立ち上げてきたデータ収録システムおよびデータ解析システムを用い、サルからのデータ記録を開始した。具体的な進捗状況は以下の通りである。 1頭目のサルについては、左半球からの電気生理記録を完了した。その後右半球に電気生理記録用チェンバーを設置し直し、左半球と同様側頭葉皮質からシングルユニット記録を行なうことで対連合記憶刺激に反応するニューロンのクラスタ領域を同定した。目下、このクラスタ領域から集中的にスパイク信号およびフィールド信号の記録を行なっている。2頭目のサルについては、固視条件下での対連合記憶課題のトレーニングが完了し、現在シングルユニット記録により側頭葉皮質のマッピングを行なっている。対連合記憶刺激に反応するニューロンのクラスタ領域を同定した後、2頭目と同様にクラスタ領域からの電気生理記録を開始する。本年度は、これら2頭のサルからのデータ収録および解析を完了し次第、海外専門誌への論文投稿を行なう予定である。
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