2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘッジホッグシグナル伝達におけるFusedの機能解析
Project/Area Number |
06J11236
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木瀬 孔明 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | hedgehog / Sufu / GSK3 / Gli |
Research Abstract |
Sufuは哺乳類Hhシグナルの主要な負の制御因子である。細胞内強制発現系において、Gliに結合してその核移行を抑制することが報告されているが、内在性のSufuがいかにしてGliを抑制しているのかについては未だにわかっていない。そこで内在性Sufuの機能を調べるために10T1/2細胞においてSufuのノックダウンをおこなったところ、Gli3のプロセシングが抑制されている事を見出した。一方、私たちの研究室は以前にsufuの新規結合蛋白質としてGsK3bを同定している。GsK3bはGli3をリン酸化し、転写抑制因子へのプロセシングに必須の分子である。そこで私は、GsK3bによるGli3のリン酸化におけるsufuの効果を検討した。ln vitroキナーぜアッセイを行ったところ、Sufuの存在化でGSK3bによるGli3のリン酸化が促進される事がわかった。次にsufu,Gli3,GsK3bの複合体形成について解析したところ、GsK3bがsufu依存的にGli3と三者複合体を形成することがわかった。GSK3bのSufu結合部位を詳細に詰め、GSK3bとは結合しないが、Gli3との結合を保持しているsufuの変異体sufu(ΔGsK)を作成した。次にノックダウン耐性の野生型Sufu(WT)、変異型Sufu(ΔGSK)を安定に発現する10T1/2細胞株をそれぞれ作成し、Sufuのノックダウンを行ったところ、Sufu(WT)発現細胞ではGli3のプロセシングがレスキューされたのに対して、Sufu(ΔGSK)発現細胞ではレスキューされなかった。これらの結果は、sufuがGsK3bをGli3にリクルートすることによってGli3のリン酸化、その後のプロセシングを促進することを強く示唆している。そして本研究によってSufuによるGliの抑制機構の一端を明らかにする成果が得られた。
|