2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11242
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 晶子 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイルス侵入 / レセプター同定 / 発現クローニング法 / cDNAライブラリ |
Research Abstract |
本研究においては、未解明であるエボラウイルスのレセプター分子をヒトの臓器由来cDNAライブラリから同定することを目的とした。 1,エボラウイルスの細胞への侵入時にレセプターを認識すると考えられているウイルス膜表面糖タンパク質GPを、レトロウイルス粒子の表面に持つシュードタイプウイルスを作製した。ウイルスの感染の指標(レポーター遺伝子)として、ネコのCD2分子または緑色蛍光タンパク質を導入した。 2,エボラウイルス低感受性であるJurkat細胞(T細胞)へ、レトロウイルスベクターを用いてヒト臓器由来cDNAライブラリを導入した。平成18年度に用いたライブラリは脾臓、胎盤脳由来である。 3,ライブラリを導入したJurkat細胞へ上述したシュードタイプウイルスを接種し、エボラウイルスのGPを介した感染に対する感受性のあがった細胞を、パニング法によりクローニングした。多くのクローンが得られたので、別のレポーター遺伝子を持つシュードタイプウイルスを接種し、感染が起こったクローンを分離した。 4,得られたクローンからcDNAを抽出し配列を決定後、相同性検索をおこなった。脾臓由来cDNAライブラリからはヒトCD151分子、脳からはRhomboid domain-containing protein 2がクローニングされた。胎盤からはクローンは得られなかった。 5,CD151分子、Rhomboid domain-containing protein 2を各々レトロウイルスベクターに組込み、Jurkat細胞へ導入した。導入した細胞ヘシュードタイプウイルスを接種し、エボラウイルスのGPを介した感染が増強されるかどうかを確認した。しかし、どちらの分子も感染を増強しなかった。
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