2008 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的RNAiライブラリーを用いたマスト細胞の脱顆粒メカニズムの解明
Project/Area Number |
06J11245
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅生 厚太郎 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNAi / RNAiライブラリー / 順遺伝学 / マスト細胞 / カルシウム |
Research Abstract |
本研究では、独自に開発したRNAiライブラリー構築技術であるEPRIL法を活用し、マスト細胞における抗原感作時に引き起こされる脱顆粒に関与する遺伝子を網羅的に同定することを目的としている。平成20年度においては、昨年度までに行ったライブラリースクリーニングによってリストアップされた候補遺伝子について、研究計画に従い、(1)siRNAの導入によってその標的遺伝子の発現レベルが低下しているか?(2)同一遺伝子を標的とする異なる配列を持つsiRNAにより脱顆粒が抑制されるか?(3)抑制された脱顆粒が、その標的遺伝子を過剰発現することで復活するか?を調べることで、真に脱顆粒に関与する遺伝子を同定することを試みた。(1)及び(3)に関しては、市販されている定量的PCR用プライマー、ウェスタンブロッテイング用抗体、遺伝子発現ベクターなどを用いることができる。しかしながら、(2)に関しては、各候補遺伝子につき複数種類のsiRNAを用意する必要があるが、市販されているsiRNAは非常に高価であり、また必ずしも強い抑制効果を有していないため、本研究に用いるには相応しくない。任意の遺伝子について複数種類のsiRNAベクターを作製することは、EPRIL法を用いることで実現可能であるが、現行のEPRIL法は確実性を重視するため、冗長な酵素反応や不活化の工程が採られており、多種類の遺伝子についてそれぞれのsiRNAベクターを作製するという目的には適していない。そこで、EPRIL法の工程を簡略するとともに、マルチウェルフォーマットと自動分注機を導入することでスループットの向上を図った。その結果、改良型のEPRIL法においては、数100種類の標的遺伝子につきそれぞれ数1000種類のsiRNAベクターを数日以内に作製することが可能となった。この方法を用いて実際に候補遺伝子についてsiRNAベクターを複数種類作製し、上記(1)〜(3)の確認実験を行った。
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Research Products
(2 results)