2006 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役型受容体G2Aの活性化機構解明および生体内における機能解析
Project/Area Number |
06J11249
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 尚加 (村上 尚加) 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / 転写制御 / プロトン / マクロファージ / プロモーター |
Research Abstract |
1.G2AとLPC(lysophosphatidylcholine)の相互作用があるか。 (1)放射性同位元素によりラベルされたLPCを用いて、ヒトG2Aとの相互作用を調べたが、目下、直接的結合は確認出来なかった。 (2)しかし、pH刺激により、G2Aの下流シグナル分子であるsmall GTPase, Rhoが活性化され、その活性化がLPCにより抑制されることが示された。このことから、 i)LPCはG2Aとの直接の相互作用を介さず、G2A受容体とGタンパク質との相互作用に影響を与える、 ii)活性化にGタンパク質共役型受容体の多量体化が必要とすれば、LPCによりそれが妨げられている可能性 が考えられ、今後これらの可能性について検討を重ねることとしたい。 (3)タンパク質との直接の相互作用を調べるため、ビアコアを用いた系を立ち上げる計画はあるが、優先順位は低い。 2.G2Aの生体内における機能解析 ヒトとマウスのG2A遺伝子領域には、シンテニーはあるが、遺伝子そのものの相同性は高くない。また、in vitroにおけるpH感受性も、ヒトG2AとマウスG2Aでは大きく異なる。 このため、当初計画していたトランスジェニックマウスの作成はおこなっていない。 3.ヒトG2Aのプロモーター解析 (1)ヒト末梢血RNAを鋳型とした5'RACEにより、G2Aの転写開始点を同定した。 (2)ヒトG2A遺伝子ORF全長を用いたNorthern解析をおこなうことにより、長さの異なる産物が検出され、その各々にプロモーター領域を想定して解析を進めている。 同定した転写開始点より上流部位を用いたレポーター遺伝子解析と並行して、ゲルシフト解析をおこない、転写活性化に必要なシスエレメント、それに結合する転写因子の同定に向かって研究を進めている。
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