2008 Fiscal Year Annual Research Report
生きた細胞や生体内での免疫シグナル伝達因子の可視化とその経時的変化の解析
Project/Area Number |
06J11254
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
王 志超 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | IRFs / DNAセンサー / FRET / 自然免疫 |
Research Abstract |
生体内の免疫システムは複雑かつ巧妙なネットワークから形成される細胞内シグナル伝達により制御されている。この複雑なネットワークは厳密に調整される必要があるが、その制御メカニズムの根幹はシグナル伝達分子の時空間的制御にあると考えられる。従来の静的な観測に基づくシグナル伝達の解析に対し、本研究では生きた細胞と生きた個体における分子の活性化や分子間相互作用に関する時空間的情報を得ることにより、細胞内のIFN/IRFsシグナル伝達の時空間的ダイナミクスを解明するという点において、これまでの研究手法と決定的に異なっている。FRETを起こすドナーとアクセプターの組み合わせが複数であることに着目し、分子内と分子間FRETを併用することによって一連のシグナル伝達の動きを解析しようとしている点が他の先行研究と違いであり、独創的な点であると考える。 本研究は生きている細胞や個体中での免疫システムに関連する分子の活性化や分子間相互作用をリアルタイムで観測し、動的制御メカニズムの解析という点では最先端の研究であると考えられる。さらに、本研究で用いた手法が免疫系のみならず、他のシグナル伝達系の研究にも応用できると考えられるので、非常に有意義で基礎となる研究であると考えられる。 これまでに細胞内に進入するDNAを感知するタンパク分子DAIを発見し、生きた細胞内でのDNAとの結合の様子を観測することに成功した。また、DAIのDNAを認識し、免疫シグナル伝達を活性化する作用機構を明らかにした。
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Research Products
(1 results)