2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機トランジスタと高分子アクチュエータの集積化技術と点字ディスプレイ応用
Project/Area Number |
06J11268
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 祐作 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 有機トランジスタ / 大面積センサ / 大面積アクチュエータ / 周波数特性 / ゲート接地 |
Research Abstract |
20年度は有機トランジスタの周波数応答の改善を目的として研究を行った。これまで、有機トランジスタの直流特性のみに着目しチャネル移動度、信頼性、安定性などの向上に取り組んできた。しかしながら、有機トランジスタをセンサー・アクチュエータなどのアクティブマトリクスへ応用する際には直流特性だけではなく周波数特性の改善も重要である。通常、トランジスタの周波数応答については論理回路への応用を踏まえゲートによるスイッチング速度の改善に関する研究が活発に行われている。これに対し大面積センサ、通信シートなどの回路への応用においては、たとえばセンサ素子側からソース・トレインに入力されたAC信号を適切にオンオフできるかということも重要になる。この特性の評価・改善にむけ、20年度はゲートに一定電圧、ソース・ドレインにAC信号を印加するゲート接地回路について研究を進めた。周波数応答というと通常はカットオフ周波数の改善に主眼がおかれることになるが、ここで有機トランジスタにおいてはカットオフ周波数の改善だけではなく、カットオフ周波数以下の周波数領域にも注意する必要がある。有機トランジスタにおいてはその構造上、シリコンに代表される無機材料を用いたトランジスタと比較して、ゲート接地回路での動作において良好なオフ状態を得ることが問題になると考えられる。そこでカットオフ周波数の改善ではなく主としてカットオフ周波数以下の周波数領域でのオンオフ比の向上について研究を進めた。カットオフ周波数以下の周波数領域において高いオンオフ比を得るためには、トランジスタのソース、ドレイン、ゲートの各電極間の寄生容最を低減することが重要であることを系統的な実験より突き止めた。これらの方針に従い、有機トランジスタのゲート接地回路において周波数応答をMHzオーダーまで改善させることが出来た。
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Research Products
(2 results)