2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 晴季 東京大学, 大学院工学系研究科化学生命工学専攻, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 自己組織化 / 液晶 / イオン伝導 |
Research Abstract |
自然界において、分子間の非共有結合を介した相互作用は生体組織の形成に重要な役割を果たしている。水素結合,疎水性相互作用,π-π相互作用,イオン-双極子相互作用などの弱い相互作用によって自発的に形成された"超分子"が昨今広く研究されている。 超分子の中でも、液晶は生体材料・工業的応用の観点から注目されている。分子の形と分子間相互作用を適切に設計することで、液晶はさまざまな機能性材料へと応用できるのである。液晶の動的かつ異方的な秩序構造を利用することで、異方的な輸送や分離,触媒作用などの機能を有する材料をつくることができる。なかでも我々は液晶の自己組織化とナノ相分離によって形成される構造をイオン伝導性材料へと応用してきた。オリゴエチレンオキシド鎖を導入した棒状液晶とリチウムイオンの複合化,イオン液体と液晶との複合化によって、異方的なイオン伝導に成功している。 本研究では、より異方性の高い一次元イオン伝導を目指すため、π共役した大環状分子の内側に親イオン性のオリゴエチレンオキシド鎖を、外側に扇状のアルキル鎖を修飾した分子の設計・合成を行った。この分子は室温でヘキサゴナルカラムナー液晶相を示し、中央にイオン伝導チャンネルが自己組織的に形成されたカラム状の集合体を形成していると考えられる。我々はこれを用いた異方的リチウムイオン伝導性材料、また、π共役系の特性を活かした光学・電子機能性材料の開発を行っている。
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Research Products
(2 results)