2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工ナノ構造による巨大非局所的光学応答の制御とその応用に関する研究
Project/Area Number |
06J11288
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 邦昭 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 人工ナノ構造 / 偏光回転 / 表面プラズモン / カイラリティ / 非局所的光学応答 |
Research Abstract |
1.カイラルフォトニッククリスタルによる巨大旋光性発現の発見 これまで研究を進めてきた金属を用いた人工キラルナノ格子に代わって、誘電体のみを用いて作製した人工キラルナノ格子において、金属の10倍以上にも達する大きな旋光性が発現するということを実験的に示すことに成功した。誘電体でも可能であることが示されたことにより、ロスの低減や、使用する物質の拡大など、大きなメリットが見込まれる。また、そのような旋光性の発現メカニズムについて、導波路共鳴の効果が重要であるということを、実験と計算の両方から明らかにした。 2.可視光領域金属人工キラルナノ格子の巨大旋光性発現機構の解明 人工ナノキラル構造の透過率及び偏光回転スペクトルの入射角依存性の結果から、偏光回転スペクトルの振る舞いが表面プラズモンの分散関係と一致すること見出し、巨大旋光性は表面プラズモン共鳴によって増大されたものであることを実験的に示した。また、数値計算の結果より、旋光性の起源となる非局所的相互作用の大きさは、金属両界面の電場のねじれで表され、構造がカイラリティーを有する場合にのみ、構造全体の積分値を考えた場合にもその非局所相互作用が有限の値になり、光学活性が発現するというメカニズムを明らかにした。 3.テラヘルツ領域金属人工キラルナノ格子 前年度に発見した、相補的二層構造を用いた、テラヘルツ領域における金属人工キラルナノ格子について、その詳細な原理解明を進めた。バビネの定理を応用した特長的な二層構造の効果を解明するため、単層構造のサンプルの測定と計算シミュレーションを駆使することにより、この構造が旋光性増大の手法として効果的であることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)