2006 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体によるナノフォトニックデバイス実現に関する研究
Project/Area Number |
06J11289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 俊輔 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノフォトニクス / ナノフォトニックデバイス / 近接場光 / 光CVD / GaN |
Research Abstract |
本研究はGaNを中心とした窒化物半導体により、ナノフォトニックデバイスを実現することを目的としている。ナノフォトニックデバイスは共鳴するエネルギー準位を持った複数の量子構造体をその寸法程度の距離に配置した構造により構成され、構造体間を近接場光相互作用により近接場光を介してエネルギー移動することで駆動する、回折限界よりも微小な(100nm以下)光デバイスである。GaNを用いてナノフォトニックデバイスを実現するために、このような構造体を作製する技術の確立と、GaNにおいて近接場光相互作用によるエネルギー移動が生じ得るかの検証を目指す。以上の目的を実現するために行った今年度の研究経過について報告する。 ・光CVDによるGaNの成長 これまで光CVDにより室温で成長させたGaNのフォトルミネッセンススペクトル測定により、5K付近にて3.37eVにピークを持つ発光スペクトル(半値全幅:7meV)が得られている。光CVDで室温にて成長させたGaNの品質を向上させるため研究を進めた結果、高品質なGaNの発行スペクトルが示す3.48eVで発光するGaNの成長に成功した。しかしながらその発光スペクトルの半値全幅はおよそ100meV程度と大きなスペクトル幅を示した。今後は3.47eV以上、半値全幅10meVを目標として更なる高品質化を目指す。 ・近接場光相互作用によるエネルギー移動観測のためのMOCVDによるGaN/AlN量子井戸の作製 有効質量近似計算より、GaN量子井戸によりナノフォトニックNOT-gateデバイスを実現するために必要な量子井戸の組み合わせは2nmと6nmと算出された。現在MOCVD法によりこの設計に基づいた量子井戸を作製中である。今後は作製した構造体によりエネルギー移動の検証実験を進める。
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