2008 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体によるナノフォトニックデバイス実現に関する研究
Project/Area Number |
06J11289
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 俊輔 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | GaN / 光CVD / フラクタル / ナノフォトニックデバイス |
Research Abstract |
本研究の目的はGaNを中心とした窒化物半導体により,ナノフォトニックデバイスを実現することである。ナノフォトニックデバイスは共鳴するエネルギー準位を持った複数の量子構造体をその寸法程度の距離に配置した構造により構成され,構造体間を近接場光相互作用により近接場光を介してエネルギー移動することで駆動する,ナノ光デバイスである。GaNを用いてナノフォトニックデバイスを実現するためには,このような構造体を作製する技術が必要となるが,その有望なナノ加工技術として近接場光化学気相堆積法(CVD)が挙げられる。近接場光CVDは光CVDの1つで,光の波長よりも十分に小さな物体に近接場光を発生させ,この近接場光により原料ガスを分解してナノ構造体を作製するものである。この近接場光CVDによるナノ構造体の作製には,光CVDによる対象となる物質の室温成長技術が不可欠である。そこで本研究では光CVDによるGaNの室温成長を目指して研究を進めてきた。 これまでにGa源としてトリメチルガリウム,窒素源としてアンモニア,さらにNd:YAGレーザの5次高調波(波長213nm)を光源として堆積を行うことによりGaNの室温成長に成功した。また同一サンプル上で樹枝状GaNの成長も観察された。 この樹枝状GaNの形状について,フラクタル次元解析により評価した。フラクタル次元の算出はボックスカウント法を用いた。走査型電子顕微鏡による樹枝状GaNの観察像を元にフラクタル次元を算出した結果,約1.65の値を得た。これは空間次元が2次元の場合の拡散律速凝集体の理想的なフラクタル次元1.7に近い値である。また樹枝状GaNの形状と理想的な拡散律速凝集体の形状が酷似していることとあわせて,本研究で行った室温における光CVDによるGaNの成長は拡散律速凝集に沿った成長過程をたどったものと考えられる。
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Research Products
(5 results)