2006 Fiscal Year Annual Research Report
量子コンピューティングのためのシュタルクアトムチップの設計・加工に関する研究
Project/Area Number |
06J11292
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長藤 圭介 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電場トラップ / 電場トランスファ / ジョンソンノイズ / レーザー冷却 / 磁場ローディング |
Research Abstract |
数ボルトの電圧で原子を電場トラップおよびトランスファするために,ミクロンオーダの電極を作製した.具体的には,電極幅8ミクロン,電極ピッチ2ミクロン程度の1層電極アレイを考える.この電極幅であれば,これまでに成功している電極幅50ミクロン,電圧±200Vと同じポテンシャル形状を生成するための電圧は±5Vで可能となる.ただし,低電圧とはいえ,原子は金属からジョンソンノイズを受けデコヒーレンスレートを加速するため,金属の厚さはなるべく薄いほど良い.誘電体の構造表面に比較的低抵抗の銀薄膜約40nm厚さであれば,十分ノイズを抑えることができることが計算によりわかっている.厚さ8ミクロンの熱酸化膜を有するシリコン基板をバックエッチングし,8ミクロンのSiO2の基板を得る.これを集束イオンビームで貫通スリットを作製し,斜めスパッタにより薄膜電極を生成後,上面および側面を集束イオンビームで絶縁し電極を仕上げる. また,この幅8ミクロンの電極にレーザー冷却した原子をローディングするために,磁場を生成するマイクロパターンワイヤを有する磁場チップを,電場トラップチップの下に配置する.ワイヤのジュール熱によるダメージを抑制するため、高熱伝導率の窒化アルミニウム(AlN)の基板を用いる. また、電界トラップのシュタルクアトムチップの設計・加工に関する論文がPrecision Engineering誌に、アトムチップによるトラップに関する論文がPhysical Review Lettersに掲載された.
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