2006 Fiscal Year Annual Research Report
知識の類似性に基づく新たなサービス設計解生成メカニズムの定式化
Project/Area Number |
06J11294
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 辰徳 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サービス工学 / サービス設計 / 製品設計 / サービスCAD / ビジネスプロセス |
Research Abstract |
本年度は,設計対象表現の拡張,ならびに精緻化を中心に行った.これは,主題である知識の類似性に基づいたサービス設計解の生成メカニズムを解析する上での基礎となる. (1)サービス・マーケティング分野の文献調査 本年度の前半は,サービス・マーケティング分野の文献調査を中心に行った.サービス・マーケティング分野では,サービスが有する「生産と消費の同時性」に着目し,サービスの提供過程や顧客参加に重きを置く研究が多く存在する.そこでは,提供者からの一方向的な働きかけだけでなく,顧客と提供者間での双方向的な働きかけ,ならびにそれらが生み出される場が強調されていることが明らかとなった. (2)活動概念の導入によるサービスの表現形式の拡張 申請者は,これまでにサービスの内容を機能・属性を用いて表現する手法を提案している.これによりサービスの機能的な表現とその評価が可能である.しかしながら,サービス・マーケティング分野の先行研究が対象とするようなサービス活動に関する議論は十分に成されていない.サービスの諸機能は,物理的な製品・設備等の実在物の他,属人的な活動によって最終的に形づけられることが多い.本年度の後半は,機能を具現化する手段として活動を認識し,「サービスの提供過程」と「顧客と提供者間の相互作用」を表現可能するための枠組みを構築した.具体的には,(1)サービス・ブループリント,ビジネスプロセスモデリング手法を導入し,(2)活動を機能提供の実手続きとして位置付け,(3)従来の機能・属性表現と活動表現とを統合化する枠組みを構築した.これにより,「サービス提供の場と過程」「顧客との関わり」「顧客を取り巻く物理的環境」等に関する情報を計算機上に表現することが可能となった. 現在,以上の内容をサービスの設計支援環境であるサービスCADシステム上に実装中である.本手法の有効性を検証後,本成果を投稿論文としてまとめる.今後は,計算機上での推論が可能な論理モデルの構築と,類似性判定の基準とするサービスの特性・特徴を明らかにする.
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