2006 Fiscal Year Annual Research Report
選択領域有機金属気相成長反応モデルに基づく多波長集積光デバイスの展開
Project/Area Number |
06J11301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 倫也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光デバイス / 有機金属気相成長 / 選択成長 / InGaAsP |
Research Abstract |
本研究の目的は,半導体発光素子・光制御素子に対してMOVPE(有機金属気相成長)選択成長というアプローチで,モノリシック集積する手法を提供することである.そのために,MOVPE選択成長の反応速度論的解析を行い,メカニズムを定性的・定量的に解明することを行っている.本年度は初年度であり,本研究の根幹となるMOVPB選択成長モデルの構築に主眼を置き, 1.InGaAsP表面拡散モデルの構築を行った.その一方で応用的展開として 2.気相拡散モデルによる選択成長マスクの最適化を行った.以下具体的に述べる. 1.InGaAsP系選択成長の表面拡散モデルの構築 InP, InGaAsPの表面拡散現象を調べた.InPと比較してInGaAsPの場合,端面での突起状の成長がほとんど起こらず,時間に依存した成長レート変化が小さいことがわかった.これはGaの表面拡散長がInと比較して非常に大きいことを示すものである.更に議論を進め,結晶表面上をマイグレーションしている吸着原子の固層への取り込み過程に角度(面方位)依存性を取り込んだモデルが,これまでの実験結果を矛盾なく説明できるという見解を得た.表面拡散モデルにより今後ファセットを用いたナノ構造や横方向成長等を設計する手法へと発展することが期待できる. 2.気相拡散モデルによる選択成長マスクの最適化 MOVPE選択成長を用いて能動素子と受動素子を集積する際,数百μmの発光波長の遷移領域があり,高集積化を阻害する要因となっている.気相拡散モデルを用いてマスク形状を最適化したところ,従来の矩形マスクの端にテーパ状のマスクを内側に付加することで遷移長が短くなることが示唆され,実際に作成したところ遷移長を360μmから160μmへと短縮することに成功した.これにより高集積化や,比較的短い素子を用いた多波長集積素子への応用が期待できる.
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Research Products
(1 results)