2007 Fiscal Year Annual Research Report
選択領域有機金属気相成長反応モデルに基づく多波長集積光デバイスの展開
Project/Area Number |
06J11301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 倫也 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光デバイス / 有機金属気相成長 / 選択成長 / 窒化物半導体 / InGaAsP |
Research Abstract |
本研究は今年度で2年度目であり,これまで培ったInGaAsP系での有機金属気相成長(MOVPE)反応モデルの(1)デバイス応用としてTMモード利得素子の能動/受動素子の集積化と(2)材料的な展開として窒化物半導体の選択成長における気相拡散の効果を調べた.以下具体的に述べる. (1)従来のMOVPE選択成長を用いた能動/受動素子の集積化では,能動素子の利得はTEモードに限られていた.気相拡散モデルを用い,量子井戸を構成するバリア・井戸層の両者が臨界膜厚を超えないように,歪み・膜厚を設計した.その結果,1460-1620nmの範囲において面内で発振する素子を作製することができ,また1550nm付近でTMモードでの発振を得られた.これによりTEモードTMモード両者の利得の制御が可能となり,偏波に依存しない利得を持つモノリシック集積光デバイスを作製可能にするものである. (2)対象とする材料系を窒化物半導体に移し,材料起因のデバイス向上を試みた.窒化物半導体一即ちAlN,InN,GaNの選択成長を行い,選択成長マスク付近での膜厚分布を調べた.その結果,GaN及びInNの選択成長によるマスク周辺部の膜厚分布は,気相拡散モデルにおいてパラメータD/k_s=50μm,215μmによって精度良く再現できるという知見を得た.これはGaNの選択成長においても気相拡散が膜厚分布を支配していることを指し示すものである.今後 (Al)InGaN混晶に展開することで,可視領域での多波長モノリシック集積素子への展開が期待できる.
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Research Products
(2 results)