2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速分光法を用いたプラズマの輸送と揺動の相関に関する実験的研究
Project/Area Number |
06J11320
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯田 洋平 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 核融合 / 境界層プラズマ / ダイバータ / 高速分光 / 衝突輻射モデル / 輻射捕獲 / 線強度比法 / 再結合プラズマ |
Research Abstract |
He Iの衝突輻射(Collisional-Radiative : CR)モデルは,励起準位密度分布を与えられた電子温度と電子密度における電子衝突と輻射遷移による流出と流入のバランスとして記述し,その定常解を求めるものである.各準位の密度は,準位寿命の長い基底準位,2つの準安定準位及びイオンを独立粒子として扱い,それらの密度の線形和として表される.輻射捕獲の影響は,自然放出係数(A係数)の実効的な減少として発現するが,その程度は体系の大きさに依存する. 近年,電子温度,電子密度に依存性の高い,輻射遷移強度比の組み合わせから高速にそれらの値を測定する手法が着目されてきている.中性粒子ビームをプローブとして用いる能動的なビーム放射分光法(Beam Emission Spectroscopy : BES)と相補的に用いることで,炉心から周辺にわたる,プラズマの高速分光としての有効性を示すことが本研究の課題の一つでもある. 本研究では,核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)を想定して,境界プラズマのHe Iの高速分光計測系とビーム放射分光法計測系の開発を行ってきた.それぞれの計測系ついて,分光視線の選択と分光方法および検出系の検討をした後,分光システムの設計・製作を行った. 原理検証のための検討として,東京大学ダイバータ模擬装置MAP-IIにおいて,He Iの受動分光法を行った.衝突輻射モデルに輻射捕獲の効果を考慮することで,再結合プラズマの発光の実験値をよく再現し,電子温度・電子密度の同時計測が可能であることを示した.
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Research Products
(1 results)