2007 Fiscal Year Annual Research Report
土器と赤色顔料から見た先史社会の研究.〜縄文時代晩期から弥生時代を中心に〜
Project/Area Number |
06J11347
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根岸 洋 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 考古学 / 土器民族考古学 / 赤色顔料利用 / パプア・ニューギニア / ポスト・ラピタ土器 / 国際情報交換 / 縄文晩期 / 弥生時代 |
Research Abstract |
平成19年度に行った研究実績は以下((1)〜(3))の3種に分けることができるが、具体的業績としてあげられたのは1・3の項目についてであり、2は短報を報告したのみで3年目に向けて継続中である。 1.縄文晩期・弥生土器研究の深化 東北地方の縄文晩期〜弥生後期の型式学的研究を行い、その成果の一部を論文発表・口頭発表するこどができた。特に縄文晩期〜弥生前期の土器については新たな知見を得たので、次年度に参加が決まっているシンポジウムにて発表する予定である。また昨年度に続いて、土器研究を生かした形で地方史に関する著書(共著)を執筆した。 2.赤色顔料の調査研究 北海道〜東北地方に分布する旧石器〜弥生時代の遺跡のデータベースを作り終えた。昨年度から継続して行なっている青森県江豚沢遺跡の顔料分析では、蛍光X線分析の結果について短報を提出している(未出版)。また青森・岩手・秋田の露頭サンプル収集を集中的に行った。顔料利用について知見を得るため、鉱物学や海外遺跡の事例についての書籍を収集した。更に比較資料を得るため西アジア遺跡調査にも参加し、先史時代の顔料利用について知見を得た 3.民族考古学的調査 メラネシア地域の一部である、パプア・ニューギニア共和国ミルンベイ州における民族考古学的調査に参加し、土器製作・顔料利用についての調査を行ってその成果の一部を論文発表した。特に現地における考古学的調査の成果 (ポスト・ラピタ土器) と民族調査を組み合わせた論文は、英文にて執筆し成果公表に勤めた。考古学的調査成果は現地博物館と共同して実施した資料調査による。また先史土器 (縄文土器など)研究に民族考古学的調査を生きかす方法について、口頭発表を行った。これは今年度最も重視した研究内容であり申請課題の主軸になるものと期待される。
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