2006 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C. elegans頭部感覚神経の遺伝子発現プロファイリング
Project/Area Number |
06J11362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 順 東京大学, 遺伝子実験施設, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNA tagging / 線虫 / マイクロアレイ / 発現プロファイリング / 感覚神経 |
Research Abstract |
Poly(A) pull-down法(以降、mRNA tagging法と呼称を変えることにした)を少数の神経細胞に適用しその発現プロファイルを得るための最初の段階として、本年度はまずmRNA tagging法およびマイクロアレイ実験の各段階の本格的な条件検討を行った。 はじめにmRNA tagging法により精製したRNAの正確な濃度測定を、少量の溶液に適用できるキュベットを用いることで可能にした。また精製RNAの品質評価を、微量RNA試料の検出に適した蛍光試薬を用いた電気泳動によって行い、単一の神経細胞に適用する上での現条件の妥当性を確認した。これらの結果からマイクロアレイ実験用のプローブを調製するために必要な生体試料の量を見積もることが可能になった。 またマイクロアレイ実験用のプローブを調製する複数の方法を試し、相互の比較検討を行うことで良好な手法を選択することができた。さらに調製したプローブをマイクロアレイへハイブリダイゼーションする際の条件検討も行った。 さらに得られたシグナル強度の規格化の方法を見直し、LOWESS法を適用するなどした。これにより今までのデータに存在した蛍光色素の性質の違いなどによるバイアスを軽減することができ、擬陽性の低減に成功した。 またこれら条件検討の過程において各条件を評価するために、得られた候補遺伝子の発現解析を行い標的細胞で発現する新規の遺伝子を複数同定することに成功した。さらに今回新たに同定された遺伝子の機能解析を行うため、一部の遺伝子の変異体の行動アッセイを開始した。 以上の条件検討に用いた線虫株はASE神経を解析対象としているが、それ以外の感覚神経の解析を行うためのトランスジェニック線虫株の作製およびDNAコンストラクションも行った。
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