2007 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C.elegans頭部感覚神経の遺伝子発現プロファイリング
Project/Area Number |
06J11362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 順 The University of Tokyo, 遺伝子実験施設, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 線虫 / マイクロアレイ / 神経ペプチド / TRP型陽イオンチャネル / 感覚神経 / 左右非対称性 |
Research Abstract |
昨年度の条件検討をもとに mRNA tagging法による細胞特異的な RNA濃縮、およびマイクロアレイ実験を行った。以前の実験結果と併せて ASEL 神経と ASER 神経の遺伝子発現を比較解析した。この結果から各神経に偏って発現する遺伝子の候補リストを作成した。比較的、機能的な解析が進んでいる ASER 神経に着目し、候補遺伝子の上位20遺伝子(既知遺伝子を含む)の発現解析を行うことでマイクロアレイ実験の結果を評価した。その結果、20遺伝子中7遺伝子がASER神経に偏って発現することがわかった。このうち6遺伝子はいままで発現の左右差が報告されていなかった遺伝子である。この結果は本法が単一神経に特異的な発現をする遺伝子を複数同定することができることを示している。 またこれらの20遺伝子についてそのプロモーター領域にCHE-1転写因子が結合する12塩基対の予測配列(ASEモチーフ)を検索した。その結果、ASER に偏って発現する遺伝子の多くは ASE モチーフを複数持つことを見出した。またプロモーター領域にASEモチーフを持たない遺伝子を候補リストから除外することにより、陽性の遺伝子の率を上げることに成功した。 ASER神経に偏って発現する候補の上位20遺伝子の他にも、比較的シグナル比の偏りが強い遺伝子のうち広く生物種間で保存されているか機能的な推定がなされている遺伝子について発現解析を行った。その結果神経ペプチド様タンパク質をコードする遺伝子、TRP型陽イオンチャネルをコードする遺伝子がASERに偏って発現することを見出した。 ASERに偏って発現することを見出した遺伝子のうち、いくつかについてその機能解析を行うことにした。現在、線虫の欠失変異体の行動表現型の解析を行っている最中である。
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Research Products
(2 results)