2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒化ニオブチタン配線層と窒化アルミニウム障壁を用いたサブミリ波SIS素子の開発
Project/Area Number |
06J11365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 光 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | サブミリ波 / SISミクサ / 超伝導 / 窒化物 / マイクロ波 |
Research Abstract |
本研究では、ALMA Band 10(787-950GHz)及びAERO(ASTE 800GHz帯受信機)に使用する目的で、787-950GHz帯で低雑音動作する超伝導体-絶縁体-超伝導体(以下SISと書く)素子の開発を行っている。 本年度は、プラズマ窒化反応におけるAlNバリアの成長のメカニズムを、トンネル抵抗率(R_NA)の時間変化から調べた。その結果、AlN膜のトンネル抵抗率が窒化時間に対してベキ乗則で増加することを見いだした。これは、膜厚が対数関数的に成長する事を示唆している。これらは、AlN膜のプラズマ窒化反応が陽イオンの移動で律速しているというモデルで理解する事ができる。このようなAlN膜の窒化過程の理解を通して、薄くかつ緻密なAlNバリアを作製するプラズマ窒化条件を見いだし、787-950GHz帯で使用する条件を満たすR_NA=10Ωμm^2のNb/AlN/Nb SIS接合を作成することに成功した。残す課題は再現性の向上である。 次に、約1100GHzのギャップ周波数を持つ窒化ニオブチタン(NbTiN)を配線材料とするSIS素子の開発を行った。NbTiN膜には、往々にして「表面状態が粗い」「内部応力が強い」といった問題点があり、その上に緻密なSIS接合を作製するのは難しい。そこで我々は、SIS接合と配線層をそれぞれ基板の上に直接成膜するユニークなSIS素子の構造とその作製方法を考案した。また、この構造を採用して、NbTiN配線とNb/AlN/Nb SIS接合を組み合わせたSIS素子を作製し、非常に欠陥の少ないバリアを容易に作製できることを実証した。この構造と作製方法について特許を出願済である。 来年度は、この2つの技術を組み合わせて800GHz帯で低雑音なSIS素子の完成させることを目標とする。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] ASTE CO (3-2) Observations of the Southern Barred Spiral Galaxy NGC 986: a Large Gaseous Bar Filled with Dense Molecular Medium2008
Author(s)
Kohno, K., Tosaki, T., Miura, R., Muraoka, K., Sawada, T., Nakanishi, K., Kuno, N., Sakai, T., Sorai, K.
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Journal Title
Pubication of Astronomical Society of Japan 60
Pages: 457-464
Peer Reviewed
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