2006 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー中重不安定核ビームを用いたクーロン励起法
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06J11399
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 大介 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 中性子過剰核 / 励起状態 / 寿命測定 |
Research Abstract |
本年度、研究代表者は、2004年に理化学研究所加速器研究施設で行った中性子過剰核^<17>Cの第一・第二励起状態の寿命測定実験のデータ解析を終了し、二つの励起状態の寿命の最終値を決定した。得られた寿命値をもとに、二つの遷移はM1が主体的な遷移であることを結論し、M1換算電磁遷移確率B(M1)を決定した。測定値から、第一励起状態から基底状態へのB(M1)が非常に小さいことが判明した。 得られたB(M1)にもとづいて、^<17>Cの核構造に関して国内の理論研究者たちと議論を行った。その結果、小さなB(M1)は、第一励起状態の閉殻外中性子が主に2s_<1/2>軌道を占有していることを示唆していることがわかった。これは、^<17>Cにおいて一粒子軌道である2s_<1/2>軌道が1d_<5/2>軌道とエネルギー的に縮退していることを支持する結論である。現在、寿命測定の結果と議論をまとめた投稿論文を準備している。 研究代表者は、フランス・GANIL研究所において行われた^<22>Neビームを用いた(α,^6Be)反応実験のデータ解析を、オルセイ原子核物理学研究所(IPN d'Orsay)において行った。本実験では、反跳粒子の運動量を高精度で測定するテレスコープMusT2(siストリップ、SiLi、CsIの三層から構成される検出器群)のコミッショニングが課題であったが、実験データの解析から、設計通りの分解能を達成していることが確認された。
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Research Products
(3 results)