2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体劈開表面に形成される二次元電子系における新物性の探索と研究
Project/Area Number |
06J11418
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
望月 敏光 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低次元素 / 半導体 / 表面物理 / 超薄膜 / 磁性 / スピングラス / 量子ホール効果 / II-IV族化合物半導体 |
Research Abstract |
半導体二次元電子系では量子ホール効果や金属絶縁体転移といった興味深い物理現象が現れるが、これらの現象に関する研究の舞台は、これまでシリコン絶縁体電界効果トランジスタやヘテロ接合系といった半導体デバイス中の界面二次元電子系に殆どの場合において限られてきた。 その一方でインジウム砒素やインジウムアンチモンといった半導体表面に金属をわずかに吸着させた系において生じる二次元電子系の存在が知られており、この電子系が高い移動度を持つことも期待されていた。この半導体表面二次元電子系の電気伝導は辻、望月、岡本がインジウム砒素に銀を吸着した系で初めて測定し、量子ホール効果の観測に成功し、さらに最近ではInSbでも同様の結果を得ている[1,2]。 鉄吸着インジウム砒素表面二次元電子系で今年度、低温での磁気抵抗にこれまで知られていなかった並行磁場下での新たな履歴現象を発見した。この履歴は鉄原子層が0.4原子層の時に特異的に観測された。このような履歴はインジウム砒素内の二次元電子系と鉄原子層の交換相互作用が磁気抵抗で測定されるほどの強さを持つことを示すものである。 また、この磁気抵抗の履歴の温度依存性や磁場依存性を系統的に測定した結果、InAs表面のFe原子がスピングラス状態を形成していることが分かった。 [1]Yukihide Tsuji,Toshimitsu Mochizuki,Tohru Okamoto:Appl.Phys.Lett.:87,062103(2005) [2]Ryuichi Masutomi,Masayuki Hio,Toshimitsu Mochizuki and Tohru Okamoto:App1.Phys.Lett.:90,202104(2007)
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Research Products
(1 results)