2007 Fiscal Year Annual Research Report
地球内核条件における鉄および鉄合金の超高圧高温実験
Project/Area Number |
06J11429
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 友子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超高圧高温実験 / ダイヤモンドアンビル装置 / 立方晶窒化ホウ素ガスケット |
Research Abstract |
本研究は、地球内核に相当する400GPa・数千Kという超高圧高温条件を実現する装置の開発を行い、内核構成物質の状態を明らかにすることを目的としている。数千Kという高温条件下においては、従来のダイヤモンドアンビルセル装置で発生可能な圧力は200GPa程度に限られてしまう。その主な原因は、アンビルが加熱時に破壊してしまうことである。地球内核に相当する超高圧高温条件を実現するためには、アンビルの温度上昇を極力少なくし、破壊を防ぐことが重要である。今年度は、昨年度から開発を行っていた立方晶窒化ホウ素の砥粒を利用した新しいガスケットを実用化した。このガスケットを用いることで、従来の金属ガスケットの場合の数倍の試料容積を超高圧条件下で確保することが可能になった。このことは、試料とアンビル間の断熱性の向上に役立つ。このガスケットは、脆いため扱いにくく、手作業では十分な精度での加工やサンプリングが困難であった。マイクロピン、精密ステージ、および実体顕微鏡を組み合わせたサンプリングシステムを構築し、サンプリングの精度を飛躍的に向上させることで実用化に至った。実際にこのガスケットを用いて、100GPa領域までの圧力発生を確認した。また、目標とする圧力領域での実験では試料室のサイズは数十μm程度になる。構築したサンプリングシステムを用いることで、断熱材の間に試料を挟みこむというような複雑なサンプリングも精度よく行うことが可能であり、測定精度の向上が期待できる。 今後、昨年度開発したパルスレーザーを用いた加熱方式と新しいガスケットを組み合わせることで、目標とする温度圧力領域を実現したい。
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