2007 Fiscal Year Annual Research Report
地球磁気圏・太陽・天体における磁気リコネクションの比較研究
Project/Area Number |
06J11443
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 康之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マグネター / Soft Gamma-ray Repeater / 巨大フレア / 中性子星 / 太陽フレア / 非熱的放射 / 磁気リコネクション |
Research Abstract |
(1)GEOTAIL衛星によるSGR 1900+14 巨大フレアの観測[Tanaka, et. al.2007,ApJ] Soft Gama-ray Repeater(SGR)は、天の川銀河と大マゼラン星曇に計4個存在し、過去30年間に3発の巨大フレアが観察されていた。しかし、このフレアのピークフラックスは10^<47>[erg/s/cm^2]にも達するため、感度の優れたガンマ線検出器は飽和の影響を大きく受け、ピーク時の光度曲線や全放射エネルギーなどは得られていなかった。 我々は、地球磁気圏観測衛星GEOTAIL搭載の低エネルギー粒子計測器LEPを用いて、1998年8月27日に発生したSGRl9OO+14からの巨大フレアの光度曲線を構築し、全放射エネルギーなどの物理量を正確に算出した。さらに、光度曲線の詳細な解析から、磁気リコネクション等のメカニズムによる磁気エネルギーの爆発的解放を、大規模な星震がトリガーしたことを初めて明らかにした。 (2)野辺山ヘリオグラフとRHESSI衛星によるループトップ非熱的放射源の観測[Asai, et. al. 2007,Adv.Space Res.] 太陽フレアの物理過程が磁気リコネクションであることは、YOHKOH衛星によるX線撮像観測から明らかになった。一方、フレア発生時には加速された電子による非熱的放射が度々観測されるが、磁気リコネクションによって電子がいつ、どこで、どのように加速されるかについては、未だ不明な点が多い。 我々は、野辺山ヘリオグラフ(電波)とRHESSI衛星(硬X線)を用いて、2005年7月27日に発生したM3.7フレアについて、ループトップに発見された非熱的放射源の時間発展を調べ、撮像スペクトル解析を行った。まず、Impulsive phaseにおいて、ループトップに2つの硬X線放射源を有意に検出した。さらに、この2つをスペクトル解析したところ、共にパワーローでフィットすることができ、これらが、Xポイントで加速され双方向に放出された非熱的電子による放射であることを明らかにした。
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