2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線結晶構造解析による、脱アミノ化酵素の作用機構及び基質認識機構の解明
Project/Area Number |
06J11473
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
倉谷 光央 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | APOBEC3G |
Research Abstract |
ヒトAPOBEC3G及びAPOBEC3Fタンパク質に関して、可溶性が高く、性質の良いコンストラクトを作成するべく条件検討を続けていた。具体的には安定構造をとらないと考えられるループ領域を予測し、アミノ酸置換を行なっていた。しかしながら脱アミノ化酵素のX線結晶構造解析は競争が激しく、米ミネソタ大のグループ(Matsuo Hiroshi ら)により、APOBEC3Gの活性ドメインが解かれてしまった(Nature.2008 Mar 6;452(7183):116-9)。なお変異体探索による溶解度の高いAPOBEC3Gの作成、機能解析実験、構造解析に関して、このグループが先行していることは以前の報告からも明らかであった。(FEBS Lett.2007 0ct2;581(24):4761-6. Epub 2007 Sep 7) そのため今年度の途中から、APOBEC3G単体に関する条件検討をやめて、相互作用するタンパク質との複合体の調製を中心に行った。前年度に大量調製に成功しているHlV-1 Vifと、それと相互作用するユビキチンリガーゼの構成要素であるタンパク質との複合体の結晶化条件を改善するために、リジンやグルタミン酸といった長い側鎖を持ち結晶化に良くない残基を、セリンやアラニンに置換したコンストラクトを複数作成した。しかし大腸菌内で沈殿したり、精製の途中で沈殿したり、野生型が吸着するカラムに結合せず精製できないなど、調製過程でさまざまな困難があった。精製できた一部のものに関して結晶化を試みたが、結晶は得られていない。 そのほかに修士時代に行なっていたtRNAの56位のシチジン残基をメチル化する酵素であるaTrm56のx線結晶構造の研究結果、およびイソロイシンtRNAの34位にリシジンを導入する酵素Tilsとその基質であるATP、リジンとの複合体のX線結晶構造について、それぞれ投稿論文としてまとめた。
|
Research Products
(2 results)