2006 Fiscal Year Annual Research Report
DlkとEsl1の相互作用による細胞分化・組織の発生を制御する機構の解析
Project/Area Number |
06J11483
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮岡 佑一郎 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Dlk / Esl1 / 発生 / 分子生物学 |
Research Abstract |
DlkとEsl1の結合を免疫沈降実験により、より詳細に解析した。Dlkの細胞外領域とEsl1の細胞外領域からC末端の1/4程度を欠失させたタンパク質をCOS7細胞に発現させ、培養上清からDlkを免疫沈降したところ、Esl1の共沈が観察された。コントロールとして用いたCD4の細胞外領域を免疫沈降しても共沈は観察されなかったことから、やはりDlkとEsl1は細胞外領域で特異的に結合しており、それに必要な領域はEsl1のN末側の3/4に含まれていることが明らかとなった。 さらに、Esl1の生体での機能を解析するために、Esl1欠損マウスを作製した。129Ola由来のES細胞を用い、C57BL/6の野生型マウスに戻し交配を行いながらEsl1欠損マウスの表現型を観察した。その結果、Esl1欠損マウスは3/4が誕生後間もなく死亡することが明らかになった。Esl1欠損マウスは胎生期から成体に至るまで、野生型マウスに比べて身体が小さいという表現型も観察された。これらの結果からEsl1は、個体の正常な発生に必要な遺伝子であることが示された。 また、Esl1の発現を成体組織由来のRNAを用いノーザンプロットにより解析したところ、全身の組織で発現が観察された。胎児期の発現も同様に全身で観察された。これらの結果から、Esl1は全身で普遍的な役割を持つことが予想される。 今後は、作製したEsl1欠損マウスのより詳細な表現型の観察と、Esl1欠損マウス由来の細胞を用いた実験を行い、DlkとEsl1の相互作用の生物学的意義を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)