2006 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母の小胞体・ゴルジ体に局在する機能未知必須膜タンパク質の解析
Project/Area Number |
06J11506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 啓介 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 出芽酵母 / 必須遺伝子 / GPIアンカー / β-1,6グルカン |
Research Abstract |
本研究は8個の機能未知必須膜タンパク質の機能解析を行うことを目的とするが,平成18年度は解析対象を限定し詳細な解析を行うことに重点を置いた. 1 Pga1 Pga1は小胞体に局在し,2回膜貫通型のタンパク質である.変異株の表現型および遺伝学的相互作用を検証し,GPIアンカー合成に関わるタンパク質であると推定した.さらに詳細な解析の結果,Pga1がGPIマンノース転移酵素と報告されていたGpi18とin vivoで複合体を作ること,およびpga1変異体とgpi18変異体はTLCにおいて同じ移動度のGPI中間体を蓄積することを見出した.以上から,Pga1はGPIマンノース転移酵素IIのサブユニットであると考えられた.以上の成果はMolecular Biology of the Cellに投稿し,現在改訂実験を行っている. 2 Yfr042w Yfr042wは小胞体に局在し,4回膜貫通型のタンパク質である.遺伝学及び生化学両面の解析から,β-1,6合成酵素をコードすると考えられているKRE6と遺伝学的相互作用があること,Kre6及びRot1とin vivoで物理的相互作用があることを見出した.kre6破壊株とrot1破壊株では共に細胞壁中のβ-1,6glucanの量が野性株に比べて減少している.yfr042w変異株の細胞壁中のβ-1,6glucanの量を測定したところ,やはり野性株に比べて減少していた.以上から,Yfr042wはβ-1,6glucanの合成に関わる新規なタンパク質であると考えられた。以上の成果は現在投稿準備中である.現在,合成活性をin vitroで再構成できないか検討中である. 3 その他のタンパク質 Ynl149cについては温度感受性変異株の作製を,Yjl097w, Ydr367wについては変異株の温度感受性を多コピーで抑制する遺伝子のスクリーニングを行っている.
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