2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸島 和也 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Streptomyces griseus / カタボライト抑制 / グルコース / 糖代謝 / グルコースキナーゼ / ROKファミリー |
Research Abstract |
放線菌Streptomyces属のグルコースカタボライト抑制に対してグルコースキナーゼが果たす役割を解明すべく、当該年度においては、研究対象である放線菌Streptomyces griseus由来グルコースキナーゼ(SgGlk)と同じくROKファミリーに属し、かつアミノ酸配列上高い相同性(53%)を有する放線菌Rhodococcus RHA1株由来グルコースキナーゼ(RhGlk)に着目して研究を行なった。S.griseus Δglk株は1.グルコース利用能と2.グルコースカタボライト抑制能の両方を同時に失うが、概株にSgglkプロモーターを用いてRhGlkを低コピー生産させたところ、1のみの回復が見られた。この結果は「SgGlkがグルコース利用能とグルコースカタボライト抑制能の両方を有する2機能性分子である」という仮定を強く裏付けるものである。同時に、SgGlkには存在するがRhGlkには存在しないわずかなアミノ酸領域がSgGlkに対してグルコースカタボライト抑制能を付与していることが強く示唆される。 当該年度の共同研究により、SgGlkの結晶構造解析が行なわれた。SgGlkは結晶中でホモ4量体を形成しており、グルコース結合時にある程度の構造変化が生じる可能性が示唆された。このことから、生体内グルコース濃度に応じてSgGlkの構造が変化し、これが例えばSgGlkと未知蛋白との相互作用の可否を決定することで、グルコースカタボライト抑制のスイッチとなる可能性が考えられる。 今後、SgGlk-RhGlkの構造/機能を比較しながら部位特異的変異導入などによる精査を行なうことで、今日までまったく明らかにされていない「SgGlkのどの領域がグルコースカタボライト抑制に寄与するか」についての知見が得られることが期待される。
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Research Products
(1 results)