2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11517
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 桂奈 The University of Tokyo, 農学生命科学研究科大学院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | hox / cdx / ゼブラフィッシュ / 筋発達 / 前後軸 |
Research Abstract |
本研究では、ゼブラフィッシュを脊椎動物のモデルとして用い、頭尾軸上に沿って適切に筋肉が配置される機構を明らかにすることを目的としている。これまでに、hox遺伝子の機能阻害胚において、腹部筋肉の発達が阻害されることを明らかにした。また昨年度は、cdx4遺伝子の機能阻害胚においては腹部筋肉の位置およびhox遺伝子の発現位置が後方化することを明らかにた。 (1)hox遺伝子の機能亢進が腹部筋肉の発達に影響するか hox遺伝子のmRNAを胚に注入したhox遺伝子機能亢進胚において腹部筋肉の発達を調べたが、異所的な腹部筋肉の発達はみられなかった。hox遺伝子単独では腹部筋肉の発達に十分ではないことが示された。 (2)hox遺伝子が筋発達のどの段階を調節するのか hox遺伝子の機能阻害胚において、軸下筋の前駆細胞で発現するマーカー遺伝子の発現解析を行い、hox遺伝子の影響を受ける遺伝子を調べた。その結果、筋分化マーカーmyf5の発現は、腹部筋肉の派生する第5体節腹側領域において著しく減少した。また、羊膜類において移動性の筋前駆細胞に発現するとされる1bx1は、正常胚において受精30時間以降に第5体節腹側領域で特に強い発現がみられたのに対し、hox遺伝子の機能阻害胚においてはこの強い発現はみられず、体節間で発現の差がみられなかった。一方、発生初期における体節での1bx1発現は正常胚とほぼ同様であった。この結果より、hox遺伝子は、筋前駆細胞のmyf5を介した筋分化、および体節内から外への移動に必要であることがわかった。 (3)CdxとFgfは腹部筋肉の調節において関与するか fgf8遺伝子およびcdx4遺伝子は、ともにその機能欠如胚において腹部筋肉およびhox遺伝子の発現位置に影響をおよぼす。両遺伝子な阻害した胚においては、どちらか一方を阻害した胚より大幅な腹部筋肉の後方化がみられた。同様にhox遺伝子の発現位置も大きく変化した。これにより、両遺伝子が腹部筋肉の位置調節機構において協調的に働くことが示された。
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Research Products
(1 results)