2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管形成不全モデル動物を利用した始原生殖細胞の移動・分化メカニズムの解析
Project/Area Number |
06J11530
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 健士朗 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 胚性内胚葉 / 細胞移動 / 腸管形成 |
Research Abstract |
本研究では、PGCsと胚性内胚葉の相互作用を明らかにするため、Geneticalな体細胞組織の移動阻害実験を計画した。Sox(S__-ry-related HMG b<ox>___-)サブグループFに属するSox17遺伝子が胚性内胚葉に発現しており、その欠損マウス胚では胚性内胚葉の細胞数が減少することが報告されている。つまり、同マウス胚はPGCsの移動の足場である胚性内胚葉の形成不全モデルマウス胚といえる。そこで、胚性内胚葉形成不全がPGCsの移動・分化に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、Sox17欠損マウス胚におけるPGCsの移動・分化を解析した。 Sox17欠損マウスの解析結果から、哺乳類の生殖細胞は形成直後に胚性内胚葉組織に移入すると、胚性内胚葉によって自律的な運動能を抑制され、胚性内胚葉の分化とそれに伴う形態形成の力を利用して後腸まで移動することが明らかとなった。同研究成果は、連綿と続く哺乳類の生命の連続性を保証するメカニズムとして重要なものであるばかりでなく、しばしばその性質から"脳"に例えられる腸管の発生過程におけるもっとも初期の役割を明確に示したという点においても極めて興味深いものである。
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Research Products
(3 results)