2006 Fiscal Year Annual Research Report
成体内神経幹細胞におけるエピジェネティックス制御の解明
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06J11532
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
姫野 絵美 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNAメチル化 / エピジェネティクス |
Research Abstract |
本研究室ではこれまで、Restriction Landmark Genomic Scanning(RLGS)法を用いたゲノムワイドなDNAメチル化解析によって、組織、細胞特異的なDNAのメチル化プロファイルが構築されていた。このRLGSによる結果とゲノムデータベースを基にしたコンピューター上の模擬的RLGS(ViRLGS)の組み合わせにより遺伝子領域の決定が迅速に行えるようになり、各々の遺伝子領域についてReal Time PCRを用いたDNAメチル化感受性定量的PCRによるDNAメチル化率の定量が可能となった。 平成18年度はこのDNAメチル化感受性定量的PCRを用いたゲノムワイドなDNAメチル化の解析方法を習得し、遺伝子領域を中心としたNot I座位221箇所について、DNAメチル化率の定量を行った。また、同様に得られた18種の組織、細胞間(脳、肝臓、腎臓、脾臓、骨格筋、精巣、精子、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、下垂体、胎盤、胚性幹細胞(ES細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)でのDNAメチル化率を比較し、階層的クラスタリングによる組織、細胞間での系統分けを行った。その結果、221箇所のNot I座位において各組織、細胞特異的なDNAメチル化率のパターンが新たに示され、さらに階層的クラスタリングによって18種の組織、細胞間においてどの組織、細胞がDNAのメチル化率が近似し、いかなる細胞系譜に由来するかが示唆された。 以上の研究結果はDNAのメチル化という新たな観点による組織、細胞の系統分類に寄与し、今後DNAメチル化プロファイルによる未知の細胞系においても応用可能な研究成果であったといえる。
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