2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術研究者の研究動機付けと新事業創出意欲の研究
Project/Area Number |
06J11568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白肌 邦生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 職務意欲 / 科学技術研究者 / モチベーション / コーチング / キャリア / 未来志向 / マネジャー / マネジメント |
Research Abstract |
挑戦的かつ責任の明確な目標の達成が常に求められる企業において,従業員から持続的に高い職務意欲を伴った行動を引き出すことは非常に重要である.報告者は過去に,部下の未来志向的な欲求をマネジャーが刺激し,部下自らが自身の夢と直面する自身の業務を関係付けることが,科学技術研究者としての職務意欲や行動につながるというメカニズムを提案している. 本年度は上記メカニズムを企業現場で適用可能な形で応用し,未来志向的な職務意欲向上施策を立案した.この施策では3つの時間軸(現在までの話:現在までの成功体験など,短期的未来の話:年度目標達成において行き詰っている点についての具体的打開策検討など,長期的未来の話:キャリア開発など)に基づいた議論を行うことで,マネジャーが効果的に部下に未来を志向させることができるような仕組みを施している. 実施対象は国内の大手自動車企業R&D部門の104名の技術職員で,目標達成のための中間フォロー面談の場面で実施した.面談後アンケート,マネジャーへの聞き取り調査から下記が明らかになった. 1.未来志向的動機付けマネジメントは企業内科学技術研究者の職務意欲に大きな影響を与える 2.長期的未来についての議論は,もともと職務意欲が低い対象には非常に有効であり,同対象に短期的未来についての議論をしても職務意欲の向上にはつながりにくい傾向にあった 3.もともと職務意欲が高い対象は長期的未来だけでなく短期的未来についての議論も当人の職務意欲向上に非常に有効であった 研究成果は研究技術計画学会21回年次学術大会,PICMET2006にて発表し,International journal of innovation and technology management, PICMET2007に投稿中・発表予定である.今後はマクロ視点を用い,個人から組織の活性化に発展させる予定である.
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