2007 Fiscal Year Annual Research Report
シオニズムの歴史社会学-東方ユダヤ人と西欧ユダヤ人の差異と相互関係に注目して
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06J11570
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鶴見 太郎 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 歴史社会学 / ナショナリズム / シオニズム / ロシア帝国 / ソヴィエ下連邦 / ユダヤ史 / 国際研究者交流 / イスラエル:パレスチナ:ロシア |
Research Abstract |
本年度、上記テーマを検証していくための中心的資料となるシオニストによるロシア語文字媒体(新聞や,月刊誌の記事、パンフレットや本)の収集について、前年度に行ったものを補足する形で、ほぼ揃えることができた。前年度に引き続いて、新聞や,月刊誌に関しては、1898年から1923年にかけての該当紙(誌)(『ヴォスホート』『ブードゥシュノスチ』『イェヴレイスカヤ・ジーズニ』『ラスヴェト』等)の記事のタイトノセなどに目を通してチェック、し、一覧表を作ったうえで、読み込みを開始した。本年度までに見出された論点は以下のとおりである。すなわち、ロシア・シオニズムにおいては、国家とネーションが分離して考えられており、そこでのナショナリズムは、国家主権とは別の次元での、集合的な権利の問題であったことが見出された。 なお、前年度までの成果を中心に、6月に国際学会であるThe Association for Israel Studiesの年次大会において発表を行った。また、10,月に日本社会学会年次大会で、11月に日本ユダヤ学会関西例会において発表した。 リベラル・ナショナリズムに関する2著を比較し、論じたものを、11に示す業績として発表した。この点は、上記のナショナリスト自身が描くナショナリズムの文脈を考える上で重要な観点であり、ナショナリストが自らの思想・運動を公共的なものと考える一方で、そうした文脈を共有しない者からはそれが全くの誰弁に聞こえてしまう齟齬を考える第一歩となるものである。
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