2007 Fiscal Year Annual Research Report
ダイニンにおける長大なコイルドコイル構造を介した情報伝達機構
Project/Area Number |
06J11587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 謙士 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイニン / 微小管 / モータータンパク質 / AAA+タンパク質 / コイルドコイル |
Research Abstract |
本年度は、ダイニンの微小管相互作用、特に微小管滑り運動におけるストークの役割の詳細な研究を開始した。細胞質ダイニンを用いて微小管滑り運動を観察すると、微小管はガラス上に固定されたダイニンの上を直線的に移動する。しかし、一部の軸糸ダイニンを用いると、微小管が進行方向に対して右ねじ様の回転をしながら移動することが知られており、これはそれらのダイニンが微小管に対して力を発生する際にストークあるいはストークヘッドがねじれるような動きをするためであると考えられる。軸糸ダイニンとはすなわち、真核細胞の鞭毛を動かすモータータンパク質であるから、このような機構は長年の研究課題となっている鞭毛の屈曲の仕組みを知る上で極めて重要である。ところが、細胞質ダイニンについては既にこの実験に十分な量のタンパク質の精製が可能な発現系が完成しているのにもかかわらず、軸糸ダイニンの発現系では十分な発現量が実現しておらず、回転運動の機構を詳細に解析することが困難な状況にある。 そこで、細胞質ダイニンのストークまたはストークヘッドのみを軸糸ダイニンと置き換えたコンストラクトを作製して細胞質ダイニンの発現系で発現し、この機構を解明することを試みた。多くのコンストラクトの作製、発現に成功し、微小管の回転運動について調べた結果、有用な情報が少なからず得られたものの、本年度においてはまだ微小管の回転運動の分子機構を明らかにするには至っていない。
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Research Products
(3 results)