2006 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の中枢神経系の前後軸形成を制御するWnt経路の標的遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
06J11593
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
團野 宏樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経発生 / 前後軸 / 比較ゲノム学 / 転写因子 |
Research Abstract |
研究計画において、初年度に予定していたことの中心的テーマとなっていたのは、脊椎動物において高度に保存されたホメオボックス転写因子Rx1の発現制御を支配するシス制御領域の同定と、そのシス制御領域に結合するトランス因子の同定であった。私は、脊椎動物問でのゲノム比較を行うことにより、非コード領域であるにもかかわらず、高度に保存された数百塩基対の配列(CNS1)がRx1の転写開始点の上流に存在していることを発見した。CNS1のシス制御活性を調査すべく、ツメガエルトランスジェニック胚の作製及び、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行ったところ、CNS1が転写発現量を調節するシス制御活性を有することが明らかとなった。CNS1のなかでも、特に保存性の高い35塩基対の配列(pt ; pentadecamer)について、既知の転写因子の結合配列のモチーフ検索を行ったところ、二種類の神経関連転写因子の結合配列が含まれていることがわかった。さらに、ゲルシフトアッセイにより、これらの二種類の転写因子とptとのin vitro相互作用が明らかとなった。 以上の結果により、Rx1の発現を制御するシス制御配列を同定し、さらにその領域に相互作用することで発現調節を行うトランス因子の候補タンパク質を見いだすことができた。次年度においては、これらの制御についての、よりin vivoの検定を行う予定である。
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