2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞遊走活性を有する新規生理活性脂質とその受容体の探索
Project/Area Number |
06J11608
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 知広 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞遊走 / オーファンGPCR |
Research Abstract |
Lipid Yの受容体を同定するために前年度に行ったオーファンGPCRライブラリー(約90種)のスクリーニングの結果、受容体の候補とした胆汁酸受容体として近年報告されたTGR5が上がってきた。そこで、Lipid Yが胆汁酸の一種であるかどうかを検証するために、(1)Lipid Yに対し遊走する細胞であるA2058細胞が、TGR5の最も強力なリガンドであるDeoxycholic acid(DCA)に対して遊走するかどうかを検証し、(2)TGR5に対するLipid YとDCAのIuciferase assayにおけるdose-responseの比較を行った。その結果、(1)ではDCAのA2058遊走活性は高濃度(〜100μM)にすれば見られるもののLipid Yに比して著しく弱いことが分かった。また、(2)ではLipid YがA2058の遊走を最も引き起こす濃度でも、1μMのDCAに及ばないことがわかった。以上の結果よりLipid Yの受容体は残念ながらTGR5ではないことが強く示唆された。今後は既知のケモカイン受容体や脂質受容体、fMLP受容体もスクリーニングする予定である。 Lipid Y受容体の探索と平行してLipid Yの構造を解明するための実験も行っている。HPLCで分画し、MSなどの検出器により構造を同定しようと考えているが、まずはHPLCにかける条件を決める目的で固相抽出カラムを用いた逆相分画(ODSカラム,アセトニトリル-水系)をしてみてLipid Yがどのような画分にくるか、すなわちどの画分にA2058遊走活性が見られるかを検討した。その結果、Lipid Yは中性脂質であるというこれまでの結果を裏付けるようにアセトニトリル濃度が高くなるに連れてLipid Yは溶出することが分かった。現在はこの条件をもとにHPLCでの分画を試している。
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