2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11627
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 多喜 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オキシステロール / 小胞輸送 / コレステロール |
Research Abstract |
第1年度目では、OSBPがξのようにGS28ゴルジ局在を制御しているかに注目し、研究を進めた。まず、様々なOSBP変異体を作製しレスキュー実験を行ったところ、PHドメイン、FFAT motif,ステロール結合ドメインが必須であることが分かった。PHドメインはゴルジ体に局在するPI4Pとの結合、FFAT motifはERに局在するVAP(VAMP-associated protein)との結合に必須なドメインである。この結果より、GS28ゴルジ局在には、OSBPのPI4Pを介したゴルジ局在だけでなく、VAPを介したER局在も必須であることが示唆された。つまり、GS28のゴルジ局在には、OSBPがER-ゴルジ体間を行き来することが必須であることが想定された。レスキュー実験の結果では、GS28ゴルジ局在にはOSBPのステロール結合ドメインも必須であったことから、OSBPはER-ゴルジ間を行き来することでステロールを輸送しているのではないかという仮説が考えられた。 次にこの仮説を検証すべく、OSBP発現抑制による細胞内コレステロール分布への影響を詳細に解析した。まず、Filipin染色を行ったところ、OSBP発現抑制によりゴルジ体に存在するコレステロール量が減少していることが分かった。また一方で、オレイン酸ラベル実験によりACAT活性を調べたところ、OSBP発現抑制条件下ではACAT活性が上昇していることが分かった。ACAT活性はERに存在するコレステロール量に依存することから、OSBP発現抑制条件下ではERのコレステロール量が増加していることが示唆された。これらの結果は、OSBPがERからゴルジ体ヘコレステロールを輸送していることを示唆している。 今後は、ゴルジ体上のコレステロールがどのようにGS28ゴルジ局在を制御しているのか、その分子機構について解析していく。
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