2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11627
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 多喜 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オキシステロール / 小胞輸送 / コレステロール |
Research Abstract |
第2年度目では、OSBPがGS28依存的な小胞輸送のどの段階で機能しているのかを明らかにすることを目標にし、詳細な解析を行った。まず、GS28小胞輸送に関与する関連分子(GBF1,ArfGAP1,Rab1B,Rab6,COG3)の発現抑制系を構築した。その結果、これらの分子のうち、COG3発現抑制条件下においてのみ、OSBP発現抑制と同様のフェノタイプが見られることが分かった。COG3はCOG complex構成因子の一つであり、GS28小胞をゴルジ体に近づけるテターリングの役割を果たしていることが示されている。私の以前の解析より、OSBPがCOG4(COG complexの構成因子)と結合すること、COG4発現抑制によりOSBP発現抑制と同様のフェノタイプが見られることが分かっている。よって、OSBP発現抑制によるフェノタイプはGS28小胞のテターリングの異常である可能性が高い。 次に、OSBPがCOG complexの機能を調節している可能性を考慮し、OSBP発現抑制条件下におけるCOG complexへの影響を調べた。しかし、各COG分子の蛋白発現量やGFP-COG分子の細胞内局在の異常は見られず、COG complexの異常を示唆するような結果は得られなかった。 現在は、COG complexの下流でOSBPが機能している可能性を想定している。これまで、COG comeplexはGS28などのSNARE分子との結合を介して、GS28小胞のテターリングを行うと想定されている。しかしながら、OSBP発現抑制によりGS28小胞のテターリングに異常が生じること(前述)や、この現象にOSBPのコレステロール輸送が重要なこと(昨年度の解析)を考慮し、『GS28小胞のテターリングにはコレステロール豊富な膜ドメインが必須であり、そのような特殊な膜ドメイン上でテターリングが行われているのではないか』という仮説を立てている。次年度は、この仮説を生化学的に検証していく予定である。
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