2007 Fiscal Year Annual Research Report
多様体の同相群の位相的性質および無限次元位相多様体の研究
Project/Area Number |
06J11637
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 温 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 同相群 / 位相多様体 / 無限次元多様体 / ヒルベルト多様体 / トポロジー |
Research Abstract |
私はコンパクト多様体Mの同相写像全体のなす位相群H(M)について,その位相的性質を研究している.Mが2次元以下の場合は,H(M)が絶対近傍レトラクト(ANR)という,局所的に良い位相的性質をもつことが知られている.3次元以上の多様体 Mで同じことが成立するかは未解決問題である.もし答が肯定的ならば,既存の結果により,H(M)はヒルベルト多様体となることが分かる.否定的であれば,興味深い反例を得たことになることであろう.実際,H(M)が局所可縮であることはよく知られているが,ANRでない局所可縮な空間の例は「人工的」なものしか知られていないからである.現在のところ,私は上記問題をより手の付けやすい小さな問題に分割し,その中のできるだけ多くに貢献することを目標にしている.ところで,同相写像全体にくらべて,連続写像全体の空間の方がずっと分かりやすい.私は昨年度からCW複体間の連続写像全体の空間についても,その位相的性質を研究している.その結果,可算なCW複体を定義域,有限CW複体(とくに球面)を値域とする連続写像の空間について,それがANRであるための条件について多くの知見を得た.更にその条件下で,問題の写像空間はヒルベルト多様体になることを示した。この結果は,定義域がコンパクトの時のみを扱った酒井克郎氏(筑波大学)の先行研究の拡張になっている.これについては,2007年10月のクロアチアでの国際研究集会,および2007年12月の京都大学での国際研究集会で研究発表を行った.
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