2007 Fiscal Year Annual Research Report
定常過程に対する統計的推定問題。特に連続時間の枠組でのブートストラップ手法
Project/Area Number |
06J11639
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深澤 正彰 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 拡散過程 / ブートストラップ / セミマルコフ過程 / realized volatility / マイクロストラクチャーノイズ / 最尤推定量 / エッジワース展開 / 安定収束 |
Research Abstract |
一次元定常拡散過程モデルにおいて、観測されたひとつのパスから背後の定常分布をノンパラメトリックに推定する問題を考察した。この問題においては一次有効な推定量が先行研究によって与えられているが、私はその推定量の分布を近似するためのブートストラップ法を考案し、その二次の正確さを証明した。この手法により、例えば二次の正確さを持った信頼区間の構成が可能になった。多次元の定常拡散過程に対しても、対称性の仮定の下、最尤推定量の漸近展開で現れる係数に対する、一致性を持つ推定量を提案し、パラメトリック推定の枠組みにおける二次の正確さを持った区間推定を可能にした。ところで連続時間確率過程による統計モデルにおいては観測誤差の影響が無視できないことがしばしばである。実際株価ティックデータを用いた実現ボラティリティ推定量は、マイクロストラクチャーノイズと呼ばれる、ある種の観測誤差に影響により、理論上は一致性を保証されているにもかかわらず、発散する現象が知られている。私は観測値の丸め誤差に注目し、ティックタイムサンプリングによる実現ボラティリティが、丸め誤差が0になる極限において一致性を持つことを示し、その漸近混合正規性も証明した。漸近分散の推定量も構成し、これらによって伊藤過程の二次変動に対する区間推定、検定が可能になった。この丸め誤差モデルにおいて、さらに背後の確率過程の強マルコフ性を仮定すると、観測される過程はセミマルコフとなるが、このセミマルコフモデルに対しても前述のブートストラップ法が適用できることも示した。
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Research Products
(2 results)