2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11641
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 紀行 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Jacquet加群 / 主系列表現 / Verma加群 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,境界値写像と密接に関わっていると思われるJacquet加群の考察を行った。昨年度までは主系列表現に限った研究を行っていたが,本年度は一般の放物型誘導表現のJacqeut加群を研究した.その結果,昨年度までに得られていたものと同様の結果が得られた.つまり,部分加群の列を構成し,そこから得られる次数加群の各直和因子が,小さい群でのJacquet加群に誘導とtwisting functorを施して得られることを示した.これらの議論は一般化されたJacquet加群に対しても行うことができるため,その場合に一般化した結果を得ている.応用として,放物型誘導表現のWhittakerベクトルの次元を特殊な場合に決定することができた。 特殊な場合として,実分裂型な群上で主系列表現のJacquet加群を考えるとねじれたVerma加群が現れる.これは昨年度も考察をした対象であるが,本年度は更に研究を進め,その間にいつ非自明な準同型があるかを決定した.特殊な場合(通常のVerma加群の場合)には,Verma及びBemstein-Gelfand-Gerlfandの結果の別証明を与えたことになる.また,Bemstein-Gelfandの圏同値を通じて,整かつ非特異な無限小指標を持つ場合には,ねじれたVerma加群は複素半単純Lie群の主系列表現に対応し,従って複素半単純Lie群の主系列表現の間の準同型の存在に関する結果も得られたことになる。圏同値を通じては一般の結果を得ることはできないが,個別に同様の議論を行うことにより,一般の無限小指標に対しても主系列表現の問にいつ非自明な準同型があるか決定することができた.これらの結果は,ねじれたVemma加群や複素半単純Lie群の主系列表現の理解に役立つことと思う.
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