2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ノズルによるプラズマ加速機構の解明とその惑星大気突入シミュレータへの応用
Project/Area Number |
06J11672
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高間 良樹 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 磁気ノズル / 発光分光 / プラズマ風洞 / 高エンクルピ流 / 熱化学非平衡性 / 水素プラズマ |
Research Abstract |
平成20年度は,印加磁場とオリフィスを組み合わせた新しいプラズマジェット生成装置を開発し,発光分光法によって気流診断を行った. 本実験装置は,1)印加磁場によってプラズマを壁から遠ざけて熱損失や再結合損失を減少させ,2)オリフィスによる強い自由膨張を用いてプラズマを加速し,定常な非平衡プラズマジェットを生成する.作動ガスとしては,工業的応用範囲の広い水素を主に用いた. 前年度までに開発した発光分光法による気流診断の結果,「印加磁場とオリフィスの組み合わせ」は「印加磁場のみ」,「オリフィスのみ」,「両方なし」のいずれの場合と比べても,2〜10倍程度の著しい解離度の上昇及びプラズマジェット長の増大が明らかになった.このことは,熱非平衡水素プラズマを用いて材料処理を行うプラズマプロセッシングの分野において非常に有用であると考えられる. 一方,オリフィスでの強い自由膨張によって,プラズマ生成部では並進-回転平衡であった水素分子がオリフィス直後から並進-回転非平衡となり,さらにその下流に向かって両モードが緩和していく様子が観察された.発光分光法で計測した温度分布を用いて並進-回転緩和衝突数を求めたところ,最新の理論研究を支持する並進-回転緩和衝突数の値を得た.水素の並進-回転非平衡及び緩和は,宇宙機が惑星大気に突入する際に形成される流れ場を理解する上で重要な研究対象であると同時に,過去の文献における水素の並進-回転緩和衝突数にはバラツキが大きいことから,本研究は航空宇宙工学において有用な貢献をすることができた.
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Research Products
(6 results)