2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス大脳皮質発生におけるNotch-Delta経路の機能解析
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06J11680
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 大地 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経系前駆細胞 / ニューロン分化 / Notch / Delta-like1 / 側方抑制 / 大脳発生 / 非対称分裂 / 幹細胞 |
Research Abstract |
脊椎動物の大脳発生中期では、未分化な神経系前駆細胞がニューロンに分化しニューロン産生が盛んに起きている。この時にはすべての未分化な神経系前駆細胞が一斉にニューロンに分化するのではなく、ある決まった割合で一部の神経系前駆細胞が選択されてニューロンに分化する。神経系前駆細胞のうち一部がニューロンに分化するよう選択されるメカニズムとしては非対称分裂が主にこれまで考えられてきた。しかし、本研究の前年度までの結果から、大脳発生においてニューロンが選択される際にNotch-Delta経路による側方抑制機構が働いている事がin Vitro、in vivoにおけるDll1の過剰発現の実験により示唆されていた。本年度は、前年度に続いてin vivoにおいて、少数の神経系前駆細胞にのみDll1を過剰発現した結果、その細胞のニューロン分化が促進する事が示された。また、Dll1コンディショナルノックアウトマウスにおいて、少数の細胞にのみCreリコンビナーゼを発現させてDll1をノックアウトすると、その細胞は分化せずに脳室帯にとどまる事がわかった。つまり、in vivoにおいてもDll1を周囲よりも多く発現している細胞はニューロン分化が促進され、周囲よりも少なく発現している細胞はニューロン分化が抑制される事が示唆された。この結果は、Notchの側方抑制機構が脊椎動物の大脳発生において分化細胞選択に寄与していることをさらに支持している。また、予備的な結果ではあるが、アストロサイト分化期の神経系前駆細胞ではDll1の発現が減少している傾向が見られた。アストロサイト分化期でも異所的なDll1発現によるニューロン分化促進の効果は見られる事から、アストロサイト分化期ではDll1を発現しない事により、ニューロン分化が起こらないようにしている可能性が示唆された。今後は、ニューロン分化細胞選択に重要である事が示されたDll1の発現制御メカニズムの解析を行う予定である。
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