2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J11716
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 大慈 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 統計的学習理論 / 制御理論 |
Research Abstract |
1.任意の有限離散分布がゲーム論的確率論の枠組みにおいても構成されることを示した.測度論的に定義されていた期待値や確率の概念がゲーム論的には通常の複製戦略によって実現されることを示し,それを具体的にいくつかの有限離散分布において導出した. 2.ベイズ予測分布と真の分布からの距離をKLダイバージェンスを用いて測り,それのサンプルによる期待値をリスクとする.正則なパラメトリックモデルにおいては非負優調和関数が存在すればJeffreys事前分布を漸近的に優越することができることが知られている(Komaki,2006).本研究では,この事実がKLダイバージェンスの一般化であるα-ダイバージェンスにおいても普遍的に成り立つことを示し,また入力Xに対する出力Yの条件付き分布についても同様の議論が成り立つことを確かめた. 3.Bayes推定を用いたBoosting手法を提案し,その一致性を示した.Boostingは広く応用されている学習法でありその一致性を含めた研究が数多くなされてきている.中でも各ステップにおける刻み幅を小さくとると予測精度が上がることが報告されている.本研究では,これをBayes推定の枠組みで捉えなおし,事前分布がある条件を満たせば一致性が成り立つことを証明した. 4.前立腺癌に対する代表的な療法としてホルモン療法がある.この療法は臨床において大きな実績があるがホルモン療法を続けていると再燃といわれるホルモン療法耐性癌の増殖現象を引き起こしてしまう.そこで,わざと間欠的にホルモン療法を休止する間欠療法が注目されている.本研究では前立腺癌の数理モデルをもとに,最適な間欠療法プロトコルを制御理論や最適化の手法を用いて導く方法を提案した.また,世界でも早くからホルモン療法を臨床で取り入れてきたBruchovskyらカナダの研究グループを訪れ研究発表を行い意見交換を行った.
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Research Products
(1 results)