2007 Fiscal Year Annual Research Report
近傍銀河中の天体の可視光および赤外線観測と、それに基づく銀河の化学進化の研究
Project/Area Number |
06J11794
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松浦 美香子 National Astronomical Observatory of Japan, 光赤外研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光赤外線観測 / 恒星の進化 / 銀河進化 |
Research Abstract |
本研究においては、近傍の銀河が、いかにして(天文学で定義する)金属を蓄えてゆき、またダストや分子を銀河内で作り出していったかを調べている。 今年の大きな成果は、近傍の矮小楕円銀河、ろ座矮小銀河の所属する漸近赤色巨星からダストを検出したことにある。これはスピッツアー宇宙望遠鏡による観測によって得た新たな知見である。銀河を構成する天体の中で、多量のダストを作り出す天体の一つが、漸近赤色巨星である。これまで、銀河を構成する天体ができたときの「金属量」が少ないときには、ダストができにくい予想されていた。これを確かめるためにスピッツアー宇宙望遠鏡で金属量が太陽の十分の一しかないろ座矮小銀河の漸近赤色巨星を観測した。予想に反して、これらの低金属量の漸近赤色巨星からもダストが検出された。ダストの量は太陽系近傍の天体と変わらないことが判明した。 この現象は、以下のようにして説明される。我々が研究対象とした漸近赤色巨星の場合、天体が生まれたときの金属量よりも、自分の中で合成した原子の影響のほうが大きいことによる。観測対象とした天体は、内部で炭素原子を合成している。この炭素が、炭素質のダストを生成するのに使われるのである。そのため、ダストの量と母体となっている銀河の金属量の間には、関連は少ない。全体として考えてみると、金属量が少ない銀河でも、銀河を構成する天体で十分ダストをまかなうことができることが判明した。
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[Journal Article] Quantitative Results on AGB Mass Loss Rates2007
Author(s)
Wood P.R., Groenewegen M.A.T., Sloan GC., Blommaert J.A.D.L., Cioni M.-R.L., Feast M.W., Habing H.J., Hony S., Lagadec E., Loup C., Matsuura M., 他
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Journal Title
ASP conf ser., 'Why Galaxies Care About AGB stars' 378
Pages: 251-261
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