2006 Fiscal Year Annual Research Report
他者行為知覚時の脳内ダイナミクスに関する発達的研究:EEG/MEG計測による検討
Project/Area Number |
06J11826
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
平井 真洋 生理学研究所, 総合生理研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 脳磁図(MEG) / 脳波(EGG) / 事象関連電位(ERP) / バイオロジカルモーション / 発達 / ウィリアムズ症候群 / 社会的知覚 / 発達認知神経科学 |
Research Abstract |
本年度は,他者行為刺激の一つとして,光点運動のみからヒトの運動を知覚することが可能であるバイオロジカルモーション(BM)刺激の処理過程に関する神経メカニズムを脳磁図(MEG)および脳波(EEG)計測により明らかにした.特に(1)成人を対象としたMEGによる研究,(2)小学生,中学生および高校生を対象としたEEGによる発達的研究,(3)非定型発達児(Williams症候群)を対象としたEEGによる研究の3つを柱に研究を遂行した. (1)BM処理に固有の脳活動を抽出する実験系を組み,MEG計測を行った.その結果,BM知覚処理に固有の反応が右後側頭部において刺激提示後350msec付近において計測された.更に信号源推定を行った結果,上側頭溝付近に信号源が推定された. (2)5歳から16歳までの児童および成人(合計約100名)を対象とし,BM刺激提示時の脳波計測実験を実施した.実験の結果,5-6歳児のグループにおいて,既にBM知覚処理に関連した活動が計測されていることが明らかになった.また,10-11歳児においては計測される波形の形状が他の年齢群の児童と比較して異なっていることが明らかになった. (3)非定型発達児(Williams症候群)におけるBM知覚時の脳活動を愛知県心身障害者コロニーとの共同研究によりEEG実験を行った.その結果,Williams症候群の児童においてもBM知覚時の活動がコントロール群と類似している場合があることが判明した.しかしながら,個人差が大きく,他の認知機能との相関を明らかにした上で慎重に議論する必要があると思われる.次年度は他の認知機能と脳活動の相関を明らかにし,非定型発達児における社会的知覚処理の神経メカニズムを明らかにしていく予定である.
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Research Products
(2 results)