2007 Fiscal Year Annual Research Report
他者行為知覚時の脳内ダイナミクスに関する発達的研究:EEG/MEG計測による検討
Project/Area Number |
06J11826
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
平井 真洋 National Institute for Physiological Sciences, 統合生理研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオロジカルモーション / 脳磁図(MEG) / 事象関連電位(ERP) / 脳波(EEG) / 発達 / Williams症候群 / 社会的知覚 / 知覚-運動 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度に引き続き光点運動のみからヒトの運動を知覚することが可能であるバイオロジカルモーション(以下,BM)刺激の処理過程に関する神経メカニズムを脳磁図(MEG)および脳波(EEG)計測により明らかにした.特に(1)成人を対象としたMEG/EEGによる研究,(2)小学生および中学生を対象としたEEGによる横断および縦断的研究,(3)WilliamsおよびCatch22症候群の児童を対象としたEEGによる研究の3つを柱に研究を遂行した. (1)前年度の研究において見出したBM知覚処理に関連した脳磁図成分が(a)マスキングによりどのように変調されるか,(b)意思決定によりどのように変調されるかを調べた.その結果,(a)BM検出の個人成績とBM知覚処理に関連した脳磁図成分の振幅が有意に相関すること,(b)意図とは異なる方向のBMが提示された場合には脳磁図成分が有意に変調されることを見出した. (2)5歳から16歳までの児童および成人(合計約60名)を対象とし,BM刺激提示時の脳波計測実験を実施した.うち30名については昨年も実験に参加した児童であり,同一被験者の発達変化を二年連続して計測した.実験の結果,初期成分については発達による変調が見られたが,後期成分については発達による変化はなく,BM刺激条件がコントロール刺激条件よりも有意に活動が増大することを確認した. (3)昨年度に引き続き,Williams症候群およびCatch22症候群の児童におけるBM知覚時の脳活動を愛知県心身障害者コロニーとの共同研究によりEEG実験を行った.その結果,Williams症候群の児童においてもBM知覚時の活動がコントロール群と類似している場合があることが判明した.
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Research Products
(5 results)