2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝酵素CYP2A6の個体差および臨床意義に関する包括的研究
Project/Area Number |
06J11891
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
深見 達基 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 薬物代謝学 / チトクロムP450 / CYP2A13 / 肺癌 |
Research Abstract |
hnRNP A1という3'-UTRに結合しmRNAを安定化させるタンパク質がCYP2A6の3'-UTRに結合することが報告されている。CYP2A6の3'-UTRの配列の一部がCYP2A7の配列に置換した遺伝子変異型、CYP2A6*1Bを有する被験者は代謝活性が高いことを当研究室で見出している(Kwon et al.,Pharmacogenetics,2001)。そこでCYP2A6 mRNAの安定化に対するhnRNP A1の役割について、野生型と変異型で違いが認められるか検討した。野生型または変異型の3'-UTRを含むCYP2A6発現プラスミドを作製し、HEK293細胞に導入し、安定発現系を構築した。次に、転写阻害のみならず、hnRNPの核からサイトゾルへの移行も亢進させるアクチノマシンDを処置することでCYP2A6 mRNAの安定性を評価した。しかし、HEK293細胞は通常使用される1-4μMのアクチノマイシンD処置において細胞死が認められ、mRNAの安定性を評価するには不向きであることが判明した。現在、至適細胞を探索中である。 前年度、主に呼吸器官に発現しているCYP2A13が様々な環境汚染物質や前発癌性物質の代謝に関与することを明らかにした。今年度は肺癌部位におけるCYP2A13の発現レベルについて解析した。CYP2A13特異的に反応する抗体を作成するため、CYP2A13タンパク質を精製し、モノクローナル抗体を作成した。肺癌には小細胞癌、扁平上皮癌、腺癌と大細胞癌の4種がある。喫煙と深く関係している扁平上皮癌と非喫煙者の女性に多いと言われている腺癌について発現を免疫染色法により比較検討した。その結果、CYP2A13は扁平上皮癌において高い発現が認められ、非癌部よりも癌部において高い発現が認められた。現在上記4種の癌について検体数を増やして解析中である。
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Research Products
(4 results)